特捜エクシードラフト

 

大熊 拳・ドラフトキース(演:榊原伊織)

拳は、特捜エクシードラフト行動隊部隊員で、トライジャケットファイヤーモードを実装してドラフトキースになります。消防隊レンジャー部隊出身の23歳で階級は警視。エクシードラフトが出動する現場では必ずと言っていいほど火災が発生するので、拳の役回りは大きいものになっています。

拳のエクシードラフト入隊の動機は、放火犯を自分の手で更正させたことがきっかけで「犯罪を犯してしまった人の心を救いたい」と強く思うようになったから。その考えはとにかく犯人を捕まえることが目的の耕作としばしば対立してしまうことになります。

隼人隊長に全幅の信頼を寄せる拳。初対面で身分も明らかにされておらず、あくまで耕作の推測の上での隊長からの命令を忠実に実行しようとしたことからも、拳が隊長を信頼していることがうかがえます。自分がこんなに信頼しているのに、隊長は自分のことを本当は信頼していないのではないか、と思ったときの拳のショックは大きかったようで、耕作に当り散らしています(^^)。結局、自分でもどこかまだ信頼しきれていなかったことに気づくのですが、非を悟ったらすぐに反省するところが拳のいいところだと思います。

いつも明るく、耕作には「能天気」と評されることもある拳ですが、第27話では別の一面を見ることができました。通勤途中に出会った女の子、真弓ちゃんからラブレターをもらって、うきうきして得意のホットケーキを焼き、約束の場所で待つ拳。でも、真弓ちゃんは約束の場所に向かう途中で父親を仲間に引きずり込もうとする人間たちによって事故を装い殺されてしまいます。デートをすっぽかされたと落ち込む拳の前に、サイボーグとなった真弓ちゃんが現れ、トライジャケットのデータを盗み出します。そんなことを信じたくない拳は真弓ちゃんを追いかけ、仲間たちとアジトを突き止めます。そこで真弓ちゃんがサイボーグにされていることを知り、愕然とする拳。拳の必死の呼びかけに真弓ちゃんは本来の自分を取り戻し、拳をかばったために今度こそ本当に絶命してしまいます。悲しみにくれる拳の怒りに「その娘はもともと死んでいたんだ」という真犯人の言葉が火をつけます。「お前は…人間じゃない!」怒りを込めてリボルバックを真犯人に向ける拳。止めに入る隊長と耕作に対し、アクセスロックと特捜手帳を置き、「俺はエクシードラフトの大熊拳じゃない。一人の人間としてそいつを許すことはできないんだ!」と叫びます。ここで犯人を撃ったとしても、もう真弓ちゃんは帰ってこない。そんなことしても真弓ちゃんは喜ばない。隊長の言葉にはっとする拳。そしてリボルバックを下げ、その場に泣き崩れます…。そんな拳が可哀想で…。彼だけには泣いて欲しくなかった。いつも笑っていて欲しかった。そんな思いでいっぱいなエピソードです。

隊長への信頼が顕著に表れているのが第36話です。偽の記憶を植え付けられ、シンクレッダーとなって自分たちに襲ってくる隊長に対し、命がけの説得にあたった拳。ヘルメットを取り、まっすぐ隊長を見つめてなんとか記憶を取り戻させようとする拳は、本当にカッコよかった。「さあ、そのエンブレードで生身の俺を斬ってみろ。エクシードラフトは人の命を救うために結成された組織だ。その人間が人を殺せるのか?殺せるなら殺してみろ!」必死の拳の叫びが届き、隊長はようやく自分を取り戻すことができます。ほっとして緊張の糸が切れたのか、拳は気を失ってしまいますが、そんな拳に対し隊長は素直に「ありがとう!」と言います。仲間に対して素直な感謝の言葉が聞けるのはおそらくこのときだけ。ちょっと耕作の影が薄いかな(^^)。

第41話は、拳と言うよりは演じる榊原さんの好演が光った回です。二役を見事にこなした榊原さんには感服ですね。清水3兄弟の仲のよさをうらやましがる拳(拳は一人っ子)。そんな拳に、拳そっくりの末っ子千代松が言います。「拳さんにも(兄弟)いるじゃないですか」。戸惑う拳に耕作と隊長が「俺達だよ」とばかりに肩を叩きます。そのときの拳のうれしそうな表情!自分の名前を勝手に使われて犯罪を犯されただけに、なかなか笑顔が見られなかったので、すごく輝いて見えました。やっぱり拳は笑顔がいちばん!

 

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