第39話 魔拳落日に散る
ある洞窟内―的場陣が幽閉されている。眠っているのか、目が閉じられている。
彼の様子を見に来たコットポトロを、陣は突然襲う。そして、閉じ込められていた牢を脱出するのに成功した。
陣の脱出を知ってもザイドスは慌てることもなく、不気味な笑いを浮かべていた。
フラフラになりながら、今にも倒れそうな陣は辛うじてゴーマの手の届かないところまで逃げられたかに思えた。

その頃、ダイレンジャーの5人は野球に興じていた。だが、亮は自分を助けた形になった陣へ思いを馳せていた。
その亮の頭上を将児が投げたボールが超えて行き、亮はボールを拾いに向かった。そこで亮は倒れている陣を見つけ、その傷に驚く。
陣が目を覚ましたのは、片付けられた部屋のベッドの上だった。そこが亮の部屋だと知った陣は傷ついた身体を起こし、亮に自分と決着をつけるようにせまる。だが、亮は応じなかった。

亮が陣を助けたことを知った他の4人は、「命を狙っている奴なのに」と亮を責め立てる。だが、亮は先回の陣との戦いの中で彼に助けられたことを話す。亮の頑なさに4人は何も言えなくなった。
亮はこれまで以上に仕事に精を出していた。「知り合いが怪我しちゃって、金がいるんですよ」仕事仲間にそう言って、連日残業していた。

夜中、白い怪人・飢狼鬼が女性を襲う事件が起きた。

亮は陣を車椅子に乗せて駅まで出てきた。階段の下で行き交う人に助けを求めるが誰一人として立ち止まってくれない。そんな人々に「人間とはそういうものだ」と冷めている陣。「それなら自分が優しくなればいい」と、亮は陣を背負い、車椅子も抱えて階段を上り始めた。
その日の夜も飢狼鬼が出現した―

朝目覚めた陣は調理師の服のままソファで眠っている亮に気づいた。彼の寝言に思わず顔がほころぶ。
サイドテーブルに飾られている花に手を伸ばしたとき、自分の腕の異変に気づく。亮が目を覚まし、包帯を変えようと近づいてくると、戸惑いから「放っておいてくれ!」と叫んでしまった…
公園へ連れ出された陣はなぜ自分を助けたのかと、亮に尋ねる。亮から返ってきた言葉は「拳士として、お前を倒すのは自分だ。そう言う気持ちがあったのかもしれない」
陣は、もし自分が怪物になったら亮自身の手で倒して欲しいと頼み、急所を教える。その直後、苦しみ出した陣は逃げるように亮の前から去って行った。

再び飢狼鬼が女子高生を襲った。駆け付けてきた亮以外のダイレンジャーが転身して戦う。将児が放った大輪剣が飢狼鬼に命中、飢狼鬼は深手を負って逃げ出した。
陣を探す亮は、彼がベンチにいるのを見つけた。そこへ、他の4人もやって来る。陣が飢狼鬼と同じ部分を怪我しているのを見た将児は、彼が飢狼鬼であることを見抜いた。
そこへ姿を現したザイドスが、陣に飢狼鬼の細胞を組みこんだことを説明する。再び飢狼鬼となった陣が5人を襲う。
亮は陣の言葉を思い出し、急所を狙って剣を突き刺すが、ためらいがあったのか、浅過ぎた。だが、飢狼鬼の中で陣の意識が剣を貫かせた。その一撃で飢狼鬼と陣が分離した。
陣は自分を操ったザイドスと戦い、ダイレンジャーは抜け殻となった飢狼鬼を倒した。
ザイドスを追い払った陣と、亮は「1人の拳士として」相対する。
あと1歩のところまで追い詰められた陣だったが、亮はそれ以上の攻撃をしてこなかった。「甘いな」と言いつつも、亮が自分を助けてくれたことに対し「ありがとう」と言い、その場を離れた。

ザイドスに率いられたコットポトロの集団が、陣に襲いかかる。陣はコインを上へ跳ね上げ、コットポトロと戦う。だが、別のコットポトロの集団の銃声が響き渡り、コインが受け取る者をなくし、砂の上に落ちたー
 
コメント…
陣編の中では1番好きなエピソードです。35話「新奥義クモの舞」からの続きみたいなものなので、これだけではちょっと分かりにくいかもしれません。
また、本文中では触れていないのですが、このときダイレンとゴーマは停戦中です(大神龍のせい)。

これまで亮に対して「復讐心」のようなものしか持っていなかった陣の変化が見事に描かれていたと思います。
亮が、自分を背負ってまで駅の階段を上がっていったあたりから陣に変化が見られます。
今まで不適な笑みしか見せたことがなかった陣が、亮の寝顔に思わず笑みがこぼれるのを見て、「やっぱり陣って根からの悪い人じゃないんだ」と思いました(^^)
ラストで亮に「ありがとう」と言ったとき、彼の口から感謝の言葉がこんなにもすんなり出てくるなんて、と驚いたのも事実です(^^;)

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