帝王アトン
〜Emperor Atone〜
声:渡部 猛

ジャシンカ帝国の9本尻尾の帝王。
メギドの父親ではあるが、息子をえこひいきせず、あくまで部下として扱う珍しいタイプの帝王。
(子ども心には、アトンの長く伸びた爪が怖く、よく母親に「爪を切らないとアトンのようになるよ」と脅かされていた。)

彼の目的は、有尾人による地上支配。
それだけではなく、有尾人一族最高の位である「10本尻尾」に到達することも目的の1つとなっていた。
第3話で語られて以来、すっかり忘れ去られていた「10本尻尾」だが、終盤のレトロ遺伝子争奪戦あたりから、かなり執着を見せるようになる。

度重なるメギドやキメラの失敗に苦りきることもしばしば。
そして、ついにメギドを千年洞窟へと追放してしまう。
メギド王子が千年洞窟を脱獄した際、「我が息子ながら、あきれ果てた奴だ」と怒り心頭であった。

帝王アトンの失敗―、それは、ゼノビアの策略にはまり、忠実な部下・カー将軍を失ってしまったことだろう。
レトロ遺伝子による10本尻尾への夢が現実味を帯びてきて、完全に自分を見失っていたアトン。
そして、自分以外の誰かがレトロ遺伝子を占有してしまったら…と疑心暗鬼になっていた。
そんなときだったからこそ、ゼノビアの策略にまんまとはまってしまったのかもしれない。
冷静になって考えれば、カー将軍とゼノビア、どちらが帝王を差し置いて10本尻尾になろうとしているか…、自ずと分かったのではないか、と思うと残念でならない。
それに気づいたのは、カー将軍が死んでから、というのが残酷である。

カー将軍を失い、ゼノビアにも反旗を翻され、と頼れるのはキメラだけとなってしまったアトン。
そのアトンの前に現れたダークナイト。(ダークナイトの登場自体は、メギド追放後すぐ)
ダークナイトの剣に倒れてしまう。
そのダークナイトの正体が息子・メギドだと知り、驚きを隠せない。
10本尻尾の本当の意味をメギドの口から聞いたアトンは、キメラに帝王剣を授け、「これからは若い者が帝国を率いていけ」と言い残し、爆死。
自分を殺すことになった、メギドに対しても憎しみや恨みは全くなく、「父親を倒すまでに成長した」と喜んでいた。

帝王というだけあって、威厳を持った立派な人物だったと思う。彼は私の中で「Best of 悪の首領」である(笑)



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