エピローグ


 夜明け頃、捕えられていた人々を地球守備隊の日本支部に下ろし、チェンジマンとダイナマンは電撃戦隊基地へと戻った。司令室では、伊吹長官が出迎えた。
「ご苦労だった。犠牲者が出なくて本当に良かった。」
 長官の言葉を受けて、戦士たちの顔に笑顔が浮かぶ。
「ダイナマンの皆さん、ご協力ありがとうございました。」
 剣がそう言って弾に手を差し伸べた。
「いえ。また闘うことになるなんて、夢にも思いませんでしたよ。」
 弾はそう返して差し伸べられた剣の手を握る。

 ダイナブレスが入っていたジュラルミンケースを前に、各自のダイナブレスを右腕から取り外す。
「二度と、このブレスを着用することがないことを祈りたいな。」
 弾の言葉に他の4人もうなずき、ケースにダイナブレスを収めた。
「ゴズマのことは、我々に任せてください!絶対にこの地球を奴らの手には渡したりしませんから!」
「この地球のためにも、負けないで下さい。」
 チェンジマンの言葉に対して、ダイナマンも静かに応じ、ジュラルミンケースのふたが閉じられた―。


 
それから半年。チェンジマンは、大星団ゴズマの猛攻撃に何度となく苦戦を強いられた。だが、航海士ゲーター、副官シーマのゴズマ離脱を機に、一気にゴズマを壊滅させることができた。
 チェンジマンに協力した宇宙人たち―ゲーター一家やシーマ、ギョダーイ、リゲル星人ナナ、メルル星人さくら、伊吹長官ことユイ・イブキ―が自分たちの星へと帰る前に祝勝会とお別れ会を兼ねたささやかなパーティが開かれた。そこに、弾たちダイナマンの5人も招待された。
 パーティでは、様々な惑星出身者と接して星川はもちろん、他のダイナマンたちも興奮を隠せない。こんな機会はないからと、星川は持参したカメラで、他の惑星出身者たちと写真に収まっていった。「宇宙人とお友達になりたい」―。ずっと抱いてきた星川の夢が実現した瞬間だった。
 精力的に動き回り、それぞれの惑星について聞いて回る星川の姿を、チェンジマンたちは嬉しそうに見守った。自分たちは大星団ゴズマとの戦いの中で、宇宙というものを身近に感じてきた。ここにいる「宇宙人」たちの他にも、たくさんの異星人と関わってきた。そんな中で忘れかけていた何かを星川が思い出させてくれたような気がしていた。

「楽しそうですね、星川さん。」
 剣が弾に話し掛けた。
「ええ。昨日は興奮して眠れなかったみたいですよ。夢が一気に実現したんですから、無理もないですね。」
 弾はそう答えた。今、この場でいちばん輝いているのが星川なのは、誰もが認めることだった―。

 パーティの数日後、チェンジマンに協力した異星人たちは、各々の故郷の惑星へと旅立った―。 


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