第4章


 鬼ヶ先のキーラの秘密基地では、ブーバ・シーマの指揮のもと、ヒドラー兵によって厳重な警戒態勢が取られていた。
 ヒドラー兵の1人が、闇の中に小さな光を見つけた。その光は次第に近づいてくる。そして、その光がシャトルベースのものだと分かったとき、ヒドラー兵はブーバへ報告した。

「なんだと!チェンジマンめ、なぜここが分かったのだ…!」
 ヒドラー兵の報告を受けたブーバは怒りに震えながら、外に飛び出した。シャトルベースを確認すると、ゴズマ戦闘機の出撃を命じた。

 ゴズマ戦闘機が襲い掛かって来るのを見たシャトルベース組の剣・麻衣・星川は、笑みを漏らした。
「奴ら、引っかかったぞ。」
「こちらに注意を引き付けておいて、海の方から潜入する。どうやらうまく行きそうですね。」
 ゴズマ戦闘機との戦いが始まった―。

 鬼ヶ先のすぐ傍の大きな岩陰に、海上組の2班が潜んでいた。ここから二手に別れて、鬼ヶ先へと上陸するのだ。
「始まったようだな…」
 シャトルベースとゴズマ戦闘機の応酬を確認した2班は、それぞれ小さなボートに乗り換え、あらかじめ打ち合わせておいた上陸ポイントへと急いだ。

 鬼ヶ先の南側から疾風・弾・レイ、北側から大空・さやか・島が上陸する。作戦通り、ゴズマの目はシャトルベースに引き付けられており、6人の上陸は全く気づかれていない。闇と鬼ヶ先全体に生えている草むらに隠れるようにしながら、発信機を頼りに南郷たち囚われた人々が監禁されている場所へと向かう。今までは発信機が気づかれることはなかったが、ゴズマがその発信機に気づくのも時間の問題だろう。それより前に出来るだけ近づいておきたかった。

 その頃、キーラの秘密基地では、なぜこの基地がチェンジマンに分かったのかと、キーラがブーバに詰め寄っていた。シーマが監禁している人々をつぶさに調べたところ、南郷に付けられた発信機に気づいた。シーマはその発信機をもぎ取り、キーラたちの元へと持っていく。
「ある男の服にこんなものが。」
 シーマの手に乗せられた発信機を見たキーラは、怒りに震えながら発信機を取り上げ、足で踏み潰した。

 発信機からの信号が突然消えた。発信機の存在が知られた以上、人々、特に南郷が危ない。海上から上陸した2班は既に秘密基地があると思われる洞窟の傍まで来ていた。ヒドラー兵がたくさんうろついている。一旦、2班は合流し、一気にヒドラー兵へと向かっていった。シャトルベースにばかり気を取られていたヒドラー兵は慌てて応戦するが、虚をつかれて次々に倒されていく。

 その戦いの状況はシャトルベースからも確認していた。そして、なおも攻撃してくるゴズマ戦闘機を避けながら戦闘が行われているすぐ近くに着陸した。剣たちもヒドラー兵との戦いに加勢し、一気に洞窟へと攻め込もうとした。だが、それより早く洞窟から現れたのは、操られた人間たちだった。もちろん、南郷もその中にいた。みんな一様に鉄パイプなどの凶器を持っている。
「奴ら、また人間を使って…!」
 イライラしたように疾風がつぶやく。
「中に人々を操っている装置か何かがあるはずだ!それを破壊すれば…!」
 剣の言葉に全員がうなずく。
「レッツチェンジ、チェンジマン!」
 剣たちは、チェンジマンへと変身、ドラゴンとグリフォンが洞窟の中へと飛び込んだ。司令室らしい部屋で人々を操っていると思われる装置や、何かを作り出そうとしていた機器類を発見した。ブーバたちが防御に来るが、それより一足早く、ドラゴンとグリフォンのズーカが機械類に炸裂。大爆発とともに司令室は吹き飛んだ。

 機械類の爆発と同時に、操られていた人々の呪縛も解かれた。持っていた凶器を取り落とし、自分がいる場所が分からずに戸惑う人々を、マーメイドとフェニックスがシャトルベースへと誘導する。南郷だけは、弾たちの元にとどまった。

 司令室を爆破され、フラフラになったキーラとベラが戦士たちの前に現れた。基地を爆破されたことに怒り狂うキーラたちを、ブーバとシーマは見限り、ゴズマードへと帰還した。
「どうやら当てが外れたようだな!この地上を貴様たちの思い通りにはさせん!」
「ダイナマン!」
 弾たち5人がダイナマンへと変身した。

 チェンジマンたちはダイナマンの戦いを固唾を飲んで見守った。ゴズマの構成員がいなくなった以上、自分たちが手出しをしない方が良いとの考えからだった。
 キーラとベラは、メギド王子やカー将軍に比べると組しやすい相手だった。特に何かに長けているというのでもなく、闇雲にダイナマンに向かってくるだけだった。レッドのドリーム返し、ブラックのブーメランショット、ブルーのフリスビースパーク、イエローのスクリューボンバー、ピンクのサーベルフラッシュが次々と決まる。そして、ニュースーパーダイナマイトでキーラとベラを倒すことに成功した。

        
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