第50話 よみがえった強敵 |
監督/東條昭平 脚本/曽田博久 放映日/1984年1月21日 |
夢野博士は、レトロ遺伝子をめぐるジャシンカ帝国の騒動に巻き込まれ、ゼノビアとダークナイトに捕まってしまった。 博士を探す5人だったがなかなか手がかりを掴むことが出来ない。 グランギズモでもゼノビアが見つからないことに、帝王アトンが苛立ちを隠せずにいた。 そこへキメラが入ってきて、カー将軍の遺言ビデオが見つかったことを報告した。 ビデオを再生すると、カー将軍のメッセージが収録された。 万一、自分の身に何かがあったときに、最後のメカシンカを作るための準備が整えられていたのだった。 ビデオから発せられたカー将軍の声に反応して、ファイアースフィンクスが作り出された。 アトンは、カー将軍の忠誠に報いるためにも一刻も早くゼノビアを見つけ出すようにキメラに命じた。 アジトではゼノビアとダークナイトが夢野博士にレトロ遺伝子を作るように命じていた。 夢野博士は爆弾を取り出そうとするが、ゼノビアに見咎められてしまい、取り出すことができない。 何とか目を盗んで爆弾を取り出した夢野博士だったが、ゼノビアは全てお見通しだった。 爆弾を取り上げられ、ゼノビアの目から光線が発せられた。夢野博士は操られたように、レトロ遺伝子の製作に取り掛かった。 ダイナマンの5人は、一度集まり、焚き火で暖を取っていた。 だが、ゼノビアが夢野博士を使ってレトロ遺伝子を作っていることを考えるべきだ、休んでいる暇はないと言う弾に頷くのだった。 グランギズモでは、ファイアースフィンクスがピラミッドの中に入って、力を蓄えていた。 そうすることで透視力を身に付けることが出来るのだ。 そして、ついにファイアースフィンクスの力によって、夢野博士にレトロ遺伝子を作らせているゼノビアの姿がピラミッドの中に映し出された。 アジトでは夢野博士が、レトロ遺伝子を浴びるためのシャワーカプセルを完成させていた。 ゼノビアはようやく自分が十本尻尾になれると、喜んでカプセルの中に入る。 ゼノビアはレトロ遺伝子を浴びる。十本尻尾になって世界を征服すると歓喜の声を上げるゼノビアだった。 そのとき、ダークナイトは何かの気配を察知してアジトから出て行く。 そんなダークナイトの前に現れたのはグランギズモだった。 空を飛ぶグランギズモにダイナマンたちも気づき、追いかける。 グランギズモからはアトン自らが降り立ち、ダークナイトと対峙した。 ダークナイトはアトンの敗北を宣言した。尻尾一本のためにノコノコと出てきたのが命取りだと言う。 尻尾を侮辱されたことに憤るジャシンカ一味。 アトンとダークナイトは一騎打ちに臨むことになった。 ダークソードと帝王剣が交錯する。 アトンの魔力の前に苦戦するように見えたダークナイトだったが、すぐに形勢を逆転し、闇の舞を繰り出す。 ダークナイトは十本尻尾にこだわり続けるアトンを愚かな男だと言い捨て、止めの一太刀を繰り出した。 ダークナイトの幻の世界が消え、現実の世界へと戻ってきた2人は、それぞれを斬りつけた。 倒れこんだダークナイトにアトンが「お前の負けだ」と宣告するが、ダークナイトは額についた石を光らせてアトンを窮地に追いやった。 そしてダークソードを投げつけ、それがアトンの胸に突き刺さった。 崩れ落ちるアトンを見て、駆け寄るキメラたちと、遠くで見守るダイナマンの5人。 ダークナイトに挑もうとするキメラを、これからが見物なのだと、ダークナイトは制した。 レトロ遺伝子を浴び続けるゼノビアは尻尾が増えていく快感に喜んでいた。 異変を察知したビルギスがゼノビアにやめるように進言するが、ついにゼノビアは限界までレトロ遺伝子を浴びてしまう。 装置の爆発に巻き込まれ、ビルギスは爆死、夢野博士はようやく催眠から解放された。 地上には爆発音と共にカプセルに入ったままのゼノビアが現れた。 ゼノビアの尻尾がみるみるうちに増え、とうとう十本尻尾となってしまった。 勝ち誇るゼノビアは、自分がジャシンカ帝国の支配者だと笑う。 だが、次の瞬間、ゼノビアに異変が生じ、ゼノビアは苦しみ始めた。 ダークナイトは救いを求めるゼノビアに「苦しめ」と言い放つ。 もっと苦しんで、地獄に落ちろ、それがお前の末路にふさわしい。 その言葉を聞いたゼノビアは、ダークナイトの本性に気づいたようだった。だが、時既に遅く、ゼノビアはどんどん老化していき、ついには白骨の死体となってしまった。 それを見たダークナイトは高らかに笑う。 弾はその様子を見て、ダークナイトの正体に気づいた。レッドに変身してダークナイトの仮面を叩き割った。 その仮面の下から現れたのは、千年洞窟へと追放されたメギド王子だった。 その正体に驚くジャシンカの面々。 メギドは千年洞窟で、十本尻尾になったものは死ぬということを記された古文書を見つけていた。 尻尾に頼って偉くなろうとしたり、強くなろうとしたりしてはならない。 己を鍛え、自ら強くなろうとすることが大切なのだ。 メギドは、アトンとダイナマンに宣言する。これからは自分がジャシンカ帝国を支配し、世界を支配するのだと。 博士がアジトから脱出してきた。博士を狙おうとするメギドを制止し、レッドは4人に博士を守れと言う。 4人はダイナマンに変身して博士を安全な場所へと誘導する。 アトンはメギドの名を呼びながら、追いかけようとするが、力尽きてしまう。 アトンはキメラに、メギドこそが自分の息子だ、メギドのやり方でジャシンカを継ぐようにと言うように命じた。 そして、これからのジャシンカ帝国は、メギドとキメラのような若い者の時代だとして、帝王剣を授け、自分が出来なかった地上征服の事業を成し遂げるようにと告げる。 キメラが涙を浮かべつつ頷くと、アトンは爆死してしまう。 岩場まで逃げてきたダイナマンだったが、メギドに追いつかれてしまう。 メギドが墓場だと示す場所は、まさに千年洞窟の入り口だった。 そこへキメラが現れ、メギドに対して最大限の敬意を払い、帝王剣を差し出した。 帝王剣を握ったメギドは、ダイナマンに千年洞窟へ落ちろと剣を振るった。 その威力の前にダイナマンは千年洞窟へ閉じ込められてしまう。 千年洞窟の苦しみは味わったものしか分からない。 メギドはその苦しみをダイナマンにも味わわせ、そのまま殺してしまう心積もりだった。 尻尾兵にたたえられながら、メギドはキメラとファイファースフィンクスを従えてグランギズモへと帰還していった。 千年洞窟では、夢野博士が何とか入り口の扉を開けようとしていたが、固く閉ざされた扉はびくともしなかった。 |
コメント… |
ダイナマン全51話のうち、異色篇なのがこの第50話。 何が異色篇かというと… ・名乗りがない。 ・ダイジュピターもダイナロボも出てこない。 そもそもダイナマンは、レッドがダークナイトの仮面をたたき割った以外は、ただの観客状態。 それだけ、ゼノビアの自滅と、ダークナイトと帝王アトンの一騎打ち、アトンが帝王剣を授けるという、ジャシンカ側のドラマが充実していたということなのですが…。 帝王剣を差し出すキメラ王女が、メギド王子に対して最大限の敬意を払っているのも注目ポイントですね。 |