第49話　カー将軍の最期

監督／東條昭平　　脚本／曽田博久　　放映日／1984年1月14日

レトロ遺伝子が消滅してしまった。だが、その製作者である夢野博士がまだいる。
帝王アトンは、カー将軍に夢野博士を捕らえてくるようにと命じた。

コンピュータードラゴンが街中に現れ、破壊活動を始めた。
コンピュータードラゴンは、港に拠点を移し、停泊している船を狙おうとした。
そのとき、ダイナマンが駆けつけて来た。
ダイナマンの到着を待っていたかのように、キメラを従えたカー将軍が姿を現した。
カー将軍は、コンピュータードラゴンが、ジャシンカの伝説獣とスーパーコンピューターが合体したメカシンカだと力説する。
ダイナマンのどんな動きや攻撃も、コンピューターによって避けられるし、誘導できるのだという。
カー将軍はコンピュータードラゴンにダイナマン攻撃を命じた。
ダイナマンたちは尻尾兵を相手に戦うが、コンピュータードラゴンが投げるドラゴンボールが街を破壊してしまう。
その様子をダイナステーションのモニターで見ていた夢野博士だったが、突如カー将軍がモニターに映り、レトロ遺伝子を作るように要求する。
夢野博士は急いでダイナマンに連絡を取ろうとするが、5人はコンピュータードラゴンの攻撃の前に通信に応じることが出来ない。
それに対してカー将軍はコンピュータードラゴンにはダイナマンも叶わないとし、夢野博士に最後通告をたたきつけた。
夢野博士は呆然とする。レトロ遺伝子を作ったらアトンは十本尻尾になり超魔力を手に入れてしまう。
それはあらゆる自然現象を自在に操るこの出来る力。今以上に恐ろしいことが起きてしまうのだ。
コンピュータードラゴンは、ダイナマンを追い詰めたものの、そのまま退散していった。
ダイナマンたちは、コンピュータードラゴンの目的が無差別破壊だけなのか、と考えをめぐらしていた。

ダイナステーションでは、夢野博士がダイナステーションに別れを告げようとしていた。
だが、そこへ戻ってきた弾とぶつかってしまい、倒れこんでしまう。
博士を助け起こした弾は、博士のポケットから爆弾が落ちたのを見つけてしまう。
爆弾を持ってどこへ行くのかと訊ねる弾を夢野博士は殴りつけ、謝罪の言葉を投げかけてダイナステーションを出で行ってしまう。
夢野博士は車で指定された大久保山へと向かった。
ダイナステーションでは、5人が揃いモニターの録画を見た。そしてカー将軍の脅迫を知った。
夢野博士はレトロ遺伝子を作らされるぐらいなら、敵を道連れに死のうとしていたのだった。

夢野博士が指定された場所に着くと、コンピュータードラゴンが夢野博士の身体的自由を奪うために鉄の輪をかけた。
夢野博士を連れ去ろうとしたとき、追いかけてきたダイナマンが到着。
博士を救おうとダイナマンは尻尾兵たちと戦う。
カー将軍はコンピュータードラゴンに夢野博士をアトンの元へ連れて行くように命じた。
コンピュータードラゴンに追いつけないと判断したレッドは、発信機をコンピュータードラゴンに装着させた。
カー将軍は勝ち誇ったように夢野博士はジャシンカのものだと言い切る。

コンピュータードラゴンに連れ去られる夢野博士を見たゼノビアは、横にいるダークナイトをせっつく。
ダークナイトは自分のコンピューターが優れているといい、手にしたコンピューターを操作した。
コンピュータードラゴンのコンピューターが誘導され、コンピュータードラゴンは自らの意思に関係なく、夢野博士を抱えて飛び去ってしまった。
ゼノビアは夢野博士は自分のものだと喜び、ダークナイトと共に打ち合わせどおりにとほくそ笑むのだった。

カー将軍がグランギズモに到着すると、帝王アトンの前に夢野博士が立っていた。
だが、アトンは怒りの声をカー将軍に向ける。
アトンは自分の目はごまかされないと言い、おもむろに夢野博士を斬りつけた。
夢野博士は木っ端微塵に吹き飛んでしまう。ロボットにすりかえられていたのだ。
どういうことだとゼノビアを問い詰めるカー将軍だったが、ゼノビアはカー将軍が自分だけ十本尻尾になりたいのだとアトンの前で言う。
モニターには、夢野博士を洞窟へと隠そうとするコンピュータードラゴンの姿が映っていた。
ゼノビアの策略に気づいたカー将軍だったが、怒り狂ったアトンはカー将軍に斬りかかった。
すんでのところでアトンの剣を受け止めるカー将軍。
アトンビームに苦しめられたカー将軍は、ビームから逃れ、誰が忠実な家来かお見せすると宣言して姿を消した。

コンピュータードラゴンの発信機を頼りにダイナマンたちは夢野博士を追う。
その夢野博士の前にはダークナイトが姿を現していた。
コンピュータードラゴンは自分が操っていたこととカー将軍を罠にはめたことを告げ、コンピュータードラゴンをさらに操る。
だが、夢野博士に自分たちに協力してもらうと、移動を開始したダークナイトにダイナロッドが飛んできてコンピューターを破壊されてしまった。
コンピュータードラゴンが正気に戻り、自分を操ったダークナイトに襲い掛かっている間に、ダイナマンは博士に駆け寄った。
ダークナイトはコンピュータードラゴンと戦う。コンピュータードラゴンはダークナイトの闇の舞の前に敗れてしまう。

夢野博士と共に逃げようとするダイナマンの前にカー将軍が現れた。
ブラックが博士を岩陰に隠れているように告げ、博士も頷く。
ダイナマンはカー将軍との戦いに臨む。
カー将軍のビーム攻撃に苦戦するダイナマン。ダイナキックもバリアではじき返されてしまう。
ダイナロッドでもバリアを破ることは出来ない。
カー将軍が鎧からビームを発射すると、ダイナマンの周りで大きな爆発が起きる。
「アトン様、ご覧あれ、カーの忠誠を！」
カー将軍は圧倒的な強さでダイナマンを翻弄する。
だが、最後の力を振り絞ったダイナマンのニュースーパーダイナマイトの前についにカー将軍は倒れてしまう。
カー将軍は最後の力を振り絞り、グランギズモへと帰還、ビッグバンビームを繰り出し、ダークナイトにやられたコンピュータードラゴンを巨大化させる。
そこで力尽きたカー将軍はその場に倒れこんでしまう。
泣き声でカー将軍の名を呼ぶキメラとは対照的に、薄笑いを浮かべてその場を去るゼノビアだった。

超メカシンカとなったコンピュータードラゴンに気をとられている間に、ゼノビアが夢野博士を捕らえた映像がグランギズモのモニターに映し出される。
謀反人はカー将軍ではなく、ゼノビアだったことが明かされた瞬間だった。
ダイナマンたちはダイナロボでコンピュータードラゴンを撃退した。

グランギズモではカー将軍の弔いが行われていた。
アトンは一瞬でもカー将軍に疑いを持ったことを詫びるかのように、カー将軍の忠誠を褒め称え、敵をとることを誓うのだった。

その頃ダイナマンの5人は連れ去られた夢野博士を探して回っていた･･･。

コメント…

ゼノビアの策略で、カー将軍が死んでしまうというジャシンカ帝国にとっては、大きな損失な回。
「カー将軍」で一人の名前と認識してきたということが、この回ではっきりしました。
アトンが怒鳴り付けたときの違和感は、今でもあります。「黙れ、カー！！」というヤツです。
今まで、アトンですら「カー将軍」と呼んできたので、ビックリしました。
カー将軍のすごさは、ダイナマンとの戦闘シーンで明らかになります。
5人が束になって掛っても敵わない。
本当に偉大なる軍神でした。