第43話　島！君は青い稲妻

監督／山田　稔　　脚本／曽田博久　　放映日／1983年11月26日

その日、島はロケット研究所で開発された超高性能燃料「ハイオクト」をロケット研究所へ運ぶ任についていた。
バギーで草原を走る島に向かって、メカシンカロケットタイガーからミサイルが発射された。
爆発による爆風でバギーから吹き飛ばされる島。
背負っていたリュックも飛び、そのリュックをキメラが手に入れた。
キメラは尻尾兵に島を襲わせ、ロケットタイガーも再び島に向けてハンドロケットを撃ち込んだ。
ダイナステーションでは、島の動きさえも上回るロケットタイガーのロケットの威力に全員が深刻な表情になっていた。
奪われたハイオクト燃料は、これまでのロケットエネルギーの倍の力を持つ。
ロケットタイガーのロケットにそのハイオクトが使われたら･･･。
島は自分が任務を果たせなかったことを謝るのだった。
星川は1人、森の中で特訓をしていた。人の気配を感じ、フリスビーが放たれたところで分身し、フリスビーをかわした。
フリスビーを投げたと思われる人物を捕らえて、投げ飛ばしてみると、そこには島の姿があった。
星川は驚き、まだ休んでいないとダメだと諭す。
だが島は星川に「ブラック分身の術」を教えて欲しいと頼み込む。
ロケットタイガーのロケットに対抗するには分身の術しかないと、必死に星川に訴える。
何かを考え込むような表情の星川。
そのとき近くで爆発が起き、ピンクが斜面を転がり落ちてきた。
ロケットタイガーがハイオクト燃料を使って実験をしていたのだった。
弾たちが4人が駆けつけると、ピンクのスーツはボロボロに裂けていた。
苦しむピンクに対して、島は「許してくれ･･･」としか言いようがなかった。
星川は1人ロケットタイガーを追いかける。ロケットタイガーと対峙したところで、ゼノビアが現れ、ロケットタイガーに新しいロケットを手渡した。
星川はブラックに変身し、ロケットタイガーと戦うことにする。
ハンドロケットが発射された瞬間、ブラックは分身の術を試みたが、失敗し、川へと転落して行った。
星川を探す島は、傷つき倒れている星川を見つけて慌てて駆け寄ってきた。
星川を気遣う島に、星川は笑顔を作って大丈夫だと応じる。
軽口を叩きながら、落ちただけだから、なんともないと言う星川に島は思いつめたような表情で、再度分身の術を教えて欲しいと頼み込む。
島はピンクがやられたのは自分のせいだ、だからこの手で敵を討ちたいと訴える。
そのためにも分身の術で対抗するしかない。どんな特訓でも耐える、くじけないと必死に訴える島の姿に星川は目を閉じた。
自分が試みて失敗した分身の術。だが、今の島にはそんなことは言えないと星川は考え込んでしまう。
そして思いついたのが、ブルーの身体能力を生かした新しい技の考案だった。
星川はあえて「新しい技」には言及せず、分身の術の指導として島の特訓を始めた。
滝の上から飛び降りたり、川の中を走ったり、再び滝の上から飛び降り、さらにジャンプして、小高い丘の上に着地する。
だが、島は最後の着地に失敗、崖をそのまま転がり落ちてしまう。
あえて冷たく突き放す星川に、島も素直に応じ、その後も特訓は続いた。
2人とも体力の限界まで続けた特訓に、島はこれが本当に分身の術のための特訓なのかと疑問を口にした。
星川は島の胸倉を掴み、「そんな生意気なことは、『空中三角飛び』が出来てから言え」と怒鳴りつける。
思ってもみない言葉が星川の口から出て、戸惑う島。
そんな島に、星川は空中三角飛びの手本を示す。そして島にもやってみるように指示を出した。
島も挑戦してみるが、なかなかうまくいかない。
一度も着地せず、木などを盾にして空中で三角形を描く。これが空中三角飛びだった。

広い場所へ移動しての空中三角飛びの特訓。一度も着地せずに崖を盾にして空中で三角形を描き、星川へとキックを繰り出す島。
そのキックによろけながらも、まだスピードが足りないと叱咤する星川。
ロケットタイガーによる負傷に加え、何度も受ける空中三角飛びの攻撃に星川の身体はボロボロになっていた。
そこへダークナイトが姿を現し、星川へと斬りかかった。激しく交錯する星川とダークナイト。
星川の危機に気づいた島は、空中三角飛びを試み、そのキックを受けたダークナイトは弾き飛ばされてしまう。
それを見た星川は「できた･･･」と喜ぶ。
戸惑う島に、空中三角飛びの真意を説明する星川。その説明を受けて島はようやく笑顔を取り戻した。
ダークナイトは島に、星川がロケットタイガーの攻撃を受け、分身の術も破られていたことを明かす。
そしてロケットタイガーが他の仲間たちを攻撃していることを2人に教えて姿を消した。
星川と島は、それぞれブラックとブルーに変身して、仲間たちと合流すべく決戦の場へと向かった。
ダークナイトの言葉どおり、レッド、イエロー、ピンクの3人はロケットタイガーと戦い、苦戦していた。
ロケットタイガーがハンドロケットを発射する直前、ブラックとブルーのロッドが発射口を襲った。
5人揃ったダイナマンは尻尾兵たちを相手に優勢に戦いを進める。
ロケットタイガーに対峙したダイナマンは、ブルーに空中三角飛びでやっつけさせようとした。
だが、そのときダークナイトが現れ、ロケットタイガーに平地で戦うようにと助言をする。
ダークナイトは「俺は悪魔よ」と笑いながらその場から消えた。
ロケットタイガーはダークナイトの助言に従い、周りに盾にするものが何もないところへと移動。
ここでは空中三角飛びが出来ないと悩むブルーに、ロケットタイガーのハンドミサイルの照準が合わせられた。
とっさにブラックが自分が盾になることを思いつき、ブルーに促す。
ブルーはブラックの足を盾にして三角形の一つの角を作り出す。
それを見たレッドもブルーの新しい技に必要なものを悟り、自分も盾となり足を差し出す。
ブルーはレッドの足も使ってロケットタイガーの方向へと身体を向け、新たな技「ブルー稲妻キック」を繰り出した。
ハンドロケットを繰り出せなくなったロケットタイガーにニュースーパーダイナマイトが炸裂した。
巨大化したロケットタイガーに、ゼノビアは増産したハイオクト燃料を送り込む。
ダイナマンたちはダイナロボから3機に分離して、各機から攻撃する。
その後、稲妻重力落としでロケットタイガーを退けた。

星川と島の友情の絆はまた固く強くなったのだった。

コメント…

とにかく「すごい」の一言に尽きるエピソード。
特訓シーンは見ごたえ十分で、ちょっとハラハラしてみたり…。
空中三角飛びのシーンは、今ならCGを使ってもっとスピード感溢れるものにできるんでしょうけど、生身の人間が空中を大移動する様はCGでは表せない”何か”を感じました。
そして、私にとって印象的なのが、メンバーの誰一人として、ハイオクト燃料を奪われたことに対して、島さんを責めていないというところですね。
誰か一人ぐらい責める人がいるんじゃないかと思っていたのですが、見事に裏切られました。