第40話 爆発!無言の怒り 

監督/山田 稔  脚本/曽田博久  放映日/1983年11月5日

子ども達が野球をしている公園に、キメラ王女とワープロアルマジロが忍び寄った。ワープロアルマジロが「い」の文字を入力すると、胸に取り付けられたディスプレイに「い」の字が映し出された。
すると、審判が「ストライク!」と言った途端、その場に衝撃波が走った。
また、男女のカップルの「向こうへ行きましょう」という言葉にも反応し、衝撃波が起きた。

ワープロアルマジロが入力した文字を人間が発すると、言葉反応装置が作動し、衝撃波を起こす。そのショックで人間を倒すというのが今回のジャシンカ帝国の作戦だった。
人間がしゃべることもできなくなれば、大混乱は必定。ゼノビアはキメラに命じて、言葉反応装置を東京中に仕掛けさせた。

キメラとワープロアルマジロが言葉反応装置を仕掛けていると、ダイナブラックが現れた。
ブラックの攻撃を受けて転がったワープロアルマジロが「オレは一番だ!」と唱えると、ブラックは「何が一番だ!」と一蹴。しかし、その「い」という言葉に反応して、ブラックに衝撃波が走った。
何が起きたのか分からないブラックに、ワープロアルマジロの容赦ない攻撃が続く。

そこへ、他の4人も駆けつけた。しかし、「大丈夫?」「一体」という言葉に次々に衝撃波が起きる。
ようやくブラックにも事の次第がつかめ、みんなに注意を促す。
それを見たキメラはワープロアルマジロに撤退を命令した。
ワープロアルマジロはとある建物に逃げ込んだが、そのときに1人の少女にぶつかっていたことには気づかなかった。

少女は近くを歩いていた星川の腕を掴んで、その建物が見えるところまで星川を連れて行った。一言も発さず、黙って建物を指差す少女。
しかし、星川の目には建物は映らず、海面に浮かぶボールを拾って欲しいと言っていると思ってしまった。
ボールを拾いに行く星川の後ろで、少女は寂しそうな表情を浮かべるのだった。

今度は街中で「ど」という言葉に衝撃波が走るようになった。人々は言葉を使わずに筆談のような形で会話をするなど、自衛策を取り始めていた。

星川はさっきの少女が寂しそうにしているのに気づいて、駆け寄った。
少女は何かを訴えようと、奇妙な手の動きをして見せた。しかし、最後に指差した方向に星川が目をやると、そこにはまたあのボールが…。
「しょうがないなぁ…」という感じで、星川はまたそのボールを取りに行く。
星川がボールを渡すと、少女は涙ぐんだ。その涙を感謝の意に取ってしまった星川は、微笑みを見せてその場を離れた。

少女は、ワープロアルマジロが入って行った建物の門の前の道路に、ワープロアルマジロの絵を描いた。それに気づいたキメラは少女を目撃者と察し、尻尾兵にさらわせた。
尻尾兵が少女を連れて行くのを見た星川は、慌てて追いかけた。しかし、キメラに先回りされており、しかも「だ」の字をインプットされていて変身もできない。なす術のない星川の目の前で少女が連れ去られていく。しかし、少女は手と手を叩くようなしぐさを見せるだけで、一言も発さなかった。

ダイナステーションに戻った星川は感じた疑問を話した。その話から、少女が連れ去られたときにやっていた手の動きは手話だということにレイが気づいた。
少女は言葉を発することができなかったのだ。
星川は自分の迂闊さを悔やんだ。あの時のあの子の手の動き…。うろ覚えながらも再現してみた星川の手の動きに、手話の心得があるレイはその意味を悟った。
「倉庫の中に怪しい人が入って行った!」
たしかに、向こう岸には倉庫らしい建物があった!

星川は少女の救出に向った。警備の尻尾兵に気づかれないように少女が監禁されている倉庫までたどり着いた。
すると、少女が倉庫の扉を叩いて星川を呼んだ。
見上げると、少女が「助けて」という手話で星川に語りかけていた。星川も「お兄ちゃんが助けてあげる」と手話で返した。そしてその言葉どおり少女を助け出すことに成功した。
そこへ、弾たち4人も駆けつけた。一瞬見せた隙をついて、星川は手裏剣を放った。
その手裏剣がワープロアルマジロのワープロを破壊したため、5人は変身することができるようになった。
タイヤと化して攻撃するワープロアルマジロと尻尾兵に手を焼くダイナマン。ダイナキックでも止めることができない。ダイナロッドでようやく止めることができた。
その後、ニュースーパーダイナマイトとダイナロボでワープロアルマジロを倒すことに成功した。

少女が星川に手話で何かを伝えている。レイが「お兄さんになってくれますかって言ってるのよ」と”通訳”すると、星川は嬉しそうに「もちろん!」とうなずき、少女と一緒に駆け出して行くのだった。

コメント…

言葉に頼らなくても、心は通じ合えるということを示した一編ですね。
星川さんが少女を救出するときに、「下に飛び降りる!」というようなジェスチャーを見せます。手話としては成り立っていないんでしょうが、それでも少女にはきちんと伝わっていました。

言葉を一言も発することのない少女を演じきったあの子に拍手!
表情だけで何が言いたいのかよく伝わってきました。

それにしても、レイちゃんに手話の心得があったとは!
そちらの方が驚きでしたね(笑)
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