第39話 抱け!有尾人の卵 |
監督/山田 稔 脚本/曽田博久 放映日/1983年10月29日 |
千年洞窟にメギド王子の声が響く。前回の作戦失敗の責任を問われ、牢獄に落とされてしまったのだった。だが、その声に応えるものは何もない。 グランギズモでは、ゼノビアも前回の作戦失敗に対して帝王アトンから責めを受けていた。「メギド王子の失敗さえなければ」と言い訳をするゼノビアに、アトンはメギドを処刑した以上、もはや人の所為にすることはできないと言い放つ。そこへカー将軍が有尾人の卵を持って入ってきた。 有尾人がなかなか地上を征服できないのは、人数が少ないから。しかも、ダイナマンとの戦いでその数は2割も減ったのだ。 そこで、大量の卵を孵化させて有尾人の数を増やす、それが今回のカー将軍の作戦だった。 しかし、その作戦にゼノビアが異を唱えた。卵が孵化するのには2年もかかる。そんな気の長い作戦でいいのか、と。その言葉をカー将軍は自信たっぷりに跳ね返すのだった。 街をメカシンカ・レーザーホークが飛んでいく。それを目撃した弾が追いかける。 レーザーホークは乳母車を押す若い母親の前に降り立った。 レーザーホークの目が光ると、母親は放心したようにその場に座り込んだ。 「卵を抱け…」と諭すようにレーザーホークが有尾人の卵を差し出すと、母親は愛しそうに卵を抱きしめた。 レーザーホークを追ってきた弾に気づくと、レーザーホークは一時的に身を隠した。 弾は母親に子どもが泣いていることを告げるが、母親は耳を貸そうともせず、卵を抱きしめたまま、どこかへ行ってしまった。 その一部始終を見ていたレーザーホークは、「これからは人間が有尾人の卵をかえすのだ」と弾に告げて飛び去っていった。 街中の赤ちゃんを持つ母親が子どもではなく、卵を抱きしめるようになっていった。 母親の持つ女性ホルモンに包まれると、卵が孵化するのに2年かかるところが21日に短縮されるのだ。 そして、卵を抱いた母親たちは静かな場所へと移動していたのだった。 レーザーホークは、和服を着て乳母車を押す若い女性を発見。 地上に降り立ち、その女性に襲い掛かるが、逆に弾に動きを封じ込められてしまった。 和服の女性は実はレイだったのだ。乳母車に居たのは赤ちゃんではなく人形。 逃げようとするレーザーホークに飛び掛った弾だったが、ブレスを弾き飛ばされ、さらに山小屋へと振り落とされてしまった。 ダイナステーションの司令室では、夢野博士が弾に連絡を取ろうとしていた。 司令室に戻ってきた星川たちも弾のことを案じていた。 なぜ弾があんな無茶を…と訝る4人に、博士は弾の母親が彼が生まれるのと同時に亡くなっていることを話すのだった。 母の愛情を知らない彼だからこそ、母親を引き離そうとするジャシンカが許せなかったのだ。 弾が落ちた山小屋には、彼が最初に出会った赤ちゃんの母親が隠れていた。 彼が落ちてきたショックで催眠から覚めた母親は、自分の子どもを求めて山小屋を飛び出した。弾はそんな彼女を追いかけた。 有尾人は催眠から覚めた母親を見逃さずに襲い掛かった。弾が救出に入るが、ギズモスキートまで出撃されたのでは、草むらに身を隠すしかない。 だが、母親は一刻も早く帰ってやりたいと弾にすがる。 弾は、その熱意に打たれて自分が囮になって母親を逃がすことにした。 弾は尻尾兵に追い詰められ、崖下へと叩き落されてしまった。 落とされたところで怪しげな洞窟を見つけた弾は、中に入ってみた。 そこでは、有尾人の卵がどんどん作り出されていた。 この卵のために、母親が子どもたちから引き離されている…。 弾は卵を掴むと次々に壁にぶつけたり、駆けつけたキメラ王女に投げつけたりして破壊した。 そして、卵の製造機もろとも洞窟内の設備を全て爆破してしまった。 何とか逃げ出した弾をレーザーホークが追い詰めるが、今一歩というところでブラックたちがレッドの新しいブレスレットを持って駆けつけた。 弾は新しいブレスをつけてレッドに変身。 火炎攻撃などに苦しめられるものの、レーザーホークとの戦いに勝利を収めることが出来た。 子どもたちに母親が戻ってきた。弾は、子ども達が大きな愛に包まれてたくましく育つことを願うのだった。 |
コメント… |
5人の中で肉親のことが語られたのは弾さんだけです。 しかも生まれてすぐに母親を亡くしているというショッキングな話。 きっとお母さんの分まで他の家族がたっぷり愛情を注いでいたんでしょうね。 でなきゃ、あんな立派な青年にはならないと思います…。 この回最大の驚きは、有尾人が卵生だったことですね。 おまけに卵を人工的に作り出せるなんて…。 人工的に作り出したら、血縁も何もないのでは…(笑) |