第35話 新必殺技を求めて 

監督/服部和史  脚本/曽田博久  放映日/1983年10月1日
 
スーパーダイナマイトに変わる必殺技の手がかりを求めて、弾は剣の修行に励んでいた。そして、いつの間にか火打岳の奥深くに入り込んでいた。
そこへ、少女を連れた1人の男性が通りかかった。弾は、思わず「明石博士!」と声を掛けるが、その男性は人違いだと言って立ち去る。思わず追いかけた弾を、1人の大男が突き飛ばし、”明石博士”たちと共にその場を離れた。

ダイナステーションに帰った弾の報告を受けたメンバーたちは驚く。自分たちも明石博士の行方を捜していたのだ。
明石博士のデンライトなら、メカシンカに勝てるかもしれない。5年前、明石博士は巨大隕石の中からデンライトという金属を取り出し、世界的に話題になった。しかし、その後博士は姿を消していたのだった。ダイナマンたちは明石博士を探しに行くことにした。

グランギズモでは、カー将軍がメカシンカ・ギロチントカゲを誕生させた。今度こそ、ダイナマンを処刑すると、カー将軍は帝王アトンに宣言した。

明石博士のもとを訪れたダイナマンに、博士は「デンライトはもう捨てた」と主張する。素晴らしい発見を簡単に捨てられるはずがないと、弾が必死に食い下がるが、明石博士の返事は変わらない。
外で様子を伺っていた他の4人の所に、大男が現れ、島と南郷を担ぎ上げてそのまま放り投げてしまった。

かなり遠くに投げ飛ばされた島だが、落下地点で潜んでいた尻尾兵と衝突。心配して駆けつけた星川たちに注意を促す。そこへメギド王子とギロチントカゲも現れ、ダイナマンとの戦いが始まった。

その隙に明石博士と娘・マリコと大男・ゴンは逃げ出したが、キメラ王女が立ち塞がる。博士とマリコを守ろうとゴンはキメラに突進していく。
尻尾兵を簡単になぎ払うゴンに、さすがのキメラも恐れを抱く。シッポムチで攻撃するが、それほどのダメージを与えられずに終わってしまう。
ダイナマンたちも駆けつけ、明石博士たちを逃がした。ダイナマンはスーパーダイナマイトをもう一度試してみたが、結果は前回の戦いのときと同じ。あえなく敗退してしまった。

近くのペンションでゴンの手当てをしようとしたダイナマンを明石博士は追い返す。こんなことになったのも5人が訪ねてきたからだという明石博士にダイナマンは返す言葉がない。5年前もデンライトを求めて、世界中から武器商人たちがやって来た。その醜い争いに嫌気が差して、博士は姿を消していたのだった。それでも5人は必死に食い下がるが、博士の態度は変わらなかった。その声を聞いていたゴンとマリコは密かにペンションを出て行った…。

マリコを連れて逃げるゴンの前に、メギド王子が現れた。すでに彼らはゴンがロボットで身体のどこかにデンライトが使われていることを掴んでいた。マリコを庇って攻撃を受けるゴン。そこへ、ダイナマンも駆けつけた。しかし、マリコを逃がしたゴンは、ギロチントカゲもろとも川にダイビングしてしまった。そして、1人逃げるマリコはキメラ王女に捕まってしまった。

河原に打ち上げられたゴンに、人工呼吸を施そうとしたレイを明石博士は止める。ゴンがロボットであることを打ち明けられたダイナマンは驚きを隠せない。
男性4人がかりでゴンをペンションに運ぶダイナマン。部屋には「マリコを助けたければ火打岳に来い」というジャシンカ帝国からの挑戦状が貼り付けてあった。
マリコを助けに向おうとするダイナマンに、ゴンがデンライトを持って行けと言って、自分の身体を開いた。
デンライトはゴンにとっての心臓部に使われていた。マリコや博士のためにもそのデンライトを使うわけにはいかない。ダイナマンはデンライトなしでマリコを救出することを約束した。

ギロチントカゲとの決戦に臨んだダイナマンだったが、メギド王子たちの手元でマリコが人質になっているため、迂闊なことはできない。ギロチントカゲの攻撃に苦戦してしまう。だが、ゴンが駆けつけマリコを助け出した。自分たちを守ろうとしたダイナマンが苦戦するのを見て、ゴンはギロチントカゲに突進。デンライトのエネルギーを放出してギロチントカゲを破壊したのだった。

巨大化したギロチントカゲとの決戦にも勝利したダイナマンたちに、ゴンは再びデンライトを渡そうとする。しかし、弾はそれを止めた。「マリコちゃんやパパさんを守るために必要だ」と言って…。
自分たちの力で新しい必殺技を編み出すことを、5人は固く誓って明石博士たちのもとを離れていった。

 
コメント…
 
前回、スーパーダイナマイトが効かなかったのは偶然ではないことを再確認させられる回です。
必殺技が効かなくなると、間髪いれずに(とは大げさかな)次の技なり武器なりが出てくるものですが、今回はそうではなく、3話かけて新必殺技を編み出します。
時間をかけて新必殺技を編み出すというのは、次作『超電子バイオマン』にも受け継がれています。
『バイオマン』といえば、今回大男ゴンを演じたストロング金剛さんは、『バイオマン』で新帝国ギアのビッグスリーの1人、モンスターを好演されています。
「武器なんかに頼ろうとした、俺たちが間違っていたんだ」という弾さんのセリフは、武器に頼りがちな最近のヒーローの皆さんにも聞かせてあげたいですね(笑)
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